配偶者特別控除と配偶者控除は、日本の税制において結婚している人や配偶者を持つ人に対して適用される税金の軽減措置です。
この記事では『配偶者特別控除と配偶者控除』について簡単にわかりやすく解説させて頂きます。
それでは詳しい内容を深堀り、理解を深めていきましょう。
『配偶者特別控除』について
配偶者特別控除は、結婚している人に対して適用される税金の軽減措置です。
具体的には、所得税や住民税の課税対象所得から一定額を差し引くことにより、納税額を減らすことができます。
配偶者特別控除は、昭和33年に導入された制度であり、当初は男性が妻に対して適用されるものでした。
しかし、平成10年に改正され、配偶者の性別に関わらず、どちらの配偶者にも適用されるようになりました。
この控除の目的は、結婚していることによって生活負担が増えることを考慮し、税負担を軽減することです。
具体的な金額は毎年改定されますが、現在の控除額は所得税で38万円、住民税で33万円です。
配偶者特別控除は、所得税や住民税の申告書において、配偶者の扶養控除と併せて申請することができます。
ただし、配偶者との別居や経済的な独立が認められる場合は、控除の対象外となる場合があります。
『配偶者控除』について
配偶者控除は、一定の条件を満たす場合に適用される税金の軽減措置です。
具体的には、結婚している人が一定の所得制限内で収入を得ている場合、その配偶者の所得に応じた一定の金額を差し引くことにより、納税額を減らすことができます。
配偶者控除は、昭和41年に導入された制度であり、結婚していることによる生活負担の軽減を目的としています。
具体的な金額は毎年改定されますが、現在の控除額は所得税で38万円、住民税で33万円です。
配偶者控除の適用条件は以下の通りです。
1. 配偶者が一定の所得制限内で収入を得ていること。
2. 配偶者が所得税や住民税の申告を行っていること。
3. 配偶者との別居や経済的な独立が認められないこと。
配偶者控除は、主に配偶者が専業主婦や専業主夫である場合に適用されます。
また、配偶者がパートやアルバイトをしている場合でも、一定の所得制限内であれば控除の対象となります。
以上が『配偶者特別控除と配偶者控除』についての解説です。
結婚している人や配偶者を持つ人は、自身の税金の軽減に活用することができるので、確定申告時にはしっかりと申請しておきましょう。
配偶者特別控除と配偶者控除の違いとは
配偶者特別控除と配偶者控除は、日本の所得税法において配偶者を扶養するための控除制度です。
しかし、これらの控除にはいくつかの違いがあります。
以下にそれぞれの違いを詳しく説明します。
配偶者特別控除
配偶者特別控除は、所得税法第33条に基づき、配偶者を扶養するために必要な経費を控除する制度です。
具体的には、以下の条件を満たす場合に受けることができます。
1. 配偶者を経済的に扶養していること
2. 配偶者の年収が一定額以下であること（2021年度は380万円以下）
3. 配偶者特別控除を受ける配偶者の扶養控除額が一定額以下であること（2021年度は380万円以下）
控除額は、受ける配偶者の所得に応じて決定され、年間15万円から120万円までの範囲内で適用されます。
この控除は、配偶者の所得に応じて自動的に適用されるため、申請は必要ありません。
配偶者控除
配偶者控除は、所得税法第34条に基づき、配偶者が収入を得ている場合に、その収入に対して一定額を控除する制度です。
具体的には、以下の条件を満たす場合に受けることができます。
1. 配偶者が収入を得ていること
2. 配偶者の収入が一定額以下であること（2021年度は380万円以下）
3. 配偶者控除を受ける配偶者の収入控除額が一定額以下であること（2021年度は380万円以下）
控除額は、受ける配偶者の所得に応じて決定され、年間38万円から72万円までの範囲内で適用されます。
この控除は、配偶者の所得に応じて自動的に適用されるため、申請は必要ありません。
違いのポイント
配偶者特別控除と配偶者控除の違いは、以下のポイントにまとめることができます。
1. 受ける条件が異なる：配偶者特別控除は、配偶者を扶養していることが条件ですが、配偶者控除は、配偶者が収入を得ていることが条件です。
2. 控除額の範囲が異なる：配偶者特別控除は、年間15万円から120万円までの範囲内で控除されますが、配偶者控除は、年間38万円から72万円までの範囲内で控除されます。
3. 申請の有無が異なる：配偶者特別控除は、自動的に適用されるため申請は不要ですが、配偶者控除は、所得税の申告書に申請する必要があります。
まとめ
配偶者特別控除と配偶者控除は、配偶者を扶養するための控除制度ですが、受ける条件や控除額の範囲、申請の有無などに違いがあります。
配偶者特別控除は、配偶者を経済的に扶養している場合に受けることができ、配偶者控除は、配偶者が収入を得ている場合に受けることができます。
控除額は、所得に応じて決定され、自動的に適用される場合もありますが、申告書に申請する必要がある場合もあります。
税制改革の進展に伴い、配偶者特別控除や配偶者控除の条件や控除額が変更されることもありますので、最新の情報に注意しながら利用しましょう。
